【ダメオトコの始まり】
「どあほう、好きだ。俺とお付き合いしてクダサイ」
「……………」
花道がこくりと頷いた。
(う、頷いた!頷いたぞ、花道が!)
(いや、それより流川が告ってる!)
(こいつら、まだ付き合ってなかったのか……)
(てっきり付き合ってるもんだと思ってましたよ…)
(………そんなことより)
ギャラリーの数が半端じゃないんですケド……(汗)
流川が一世一代の告白をやってのけたのは……。
なんと、いつもと何も変わらない部活中の休憩時間だった。
ギャラリーは部員を始め、桜木軍団から赤木晴子、さては安西先生までいらっしゃった。
事の起こりは数分前。
休憩時間に晴子が花道へ話し掛けたことが原因だった。
二人は、それはそれは楽しそうに話をしていた。
晴子は時々花道へ身を乗り出したり、腕を軽く叩いたりしている。
花道はそんな晴子へ照れながらも、目線が近くなるように体をかがめて話をしていた。
とにかく良い雰囲気だった。
流川はそんな様子をタオルで顔を拭いながら忌々しげに眺めていた。
花道に笑いかけて貰えて、気遣って貰える晴子が憎い。
晴子に気遣って、照れ笑いしている花道も憎い。
それより、花道が自分を見ないことが一番忌々しい。
舌打ちをして目線をそらした流川は、傍にいた部員達の会話を聞いてしまった。
「桜木と赤木さん、付き合ってんの?」
「ええっ。どうかなぁ……」
「でも結構良い感じだよなー」
コソコソと話している部員を流川は睨みつけた。
「げっ、流川っ」
「あ…っ」
凄い形相で睨み付ける流川に気付いた部員達は、金縛りにあったように動けなかった。
流川は睨みつけた後、くるりと踵を返し歩き出した。
「あっぶねぇ……」
「マジ、死ぬって」
睨まれた部員達は金縛りの解けた手で心臓を押さえた。
「それにしてもどこ行ったんだ、流川のヤ……ツ…」
「お、おい!桜木のとこに……!」
「ヤベッ」
焦る部員達を尻目に、流川は花道へズンズンと近づいていった。
「ぬっ?」
「流川くん?」
無言で流川が二人の横へやってきた。
―――そして冒頭へ戻る。
「と、とにかく。カップルが誕生してメデタイな!」
「そ、そうですね!」
「ほっほっほっ」
若いとは時に激しく、時に美しいものです。
「………」
「………」
安西先生、意味分かりません。
ギャラリーの心の声が一斉にツッコんだ。
2004年の3月にWEB拍手へお礼として載せていたものです。
彼は恋するダメオトコの馴れ初め編として書きました。
馴れ初めというより告白編かしらん。
アンケートで上位だったので調子に乗って書きました(笑)
この流川は花道が好き過ぎて駄目駄目になっています。
そして周りはほとんどみんな二人の関係を知っている(笑)(知らないのは極一部)
ある意味流花のお約束というかなんというかそんな話です(笑)
なんだかんだいって花道も流川が気になってたみたいですよ(笑)
読み返してみて、もっと書き込みたい衝動に駆られたのですが
あえてそのまま載せます。自戒の意味も込めて…(汗)
novel-top