【彼は恋するダメオトコ】 (1)
「そこっ…やめっ…」
流川はそこにしゃぶりついた。根元を掴んで先端に執拗にかぶりつく。
熱を持ったそこが唾液で濡れつるつる滑る。熱さと堅さが流川をさらに興奮させた。
舌の先から腹を使って頭をじゅぶじゅぶと音がする程夢中になって
しゃぶっていると、花道の指が髪に触れてきた。
「そ…んなに吸うな…!も…!」
指が流川を髪をきゅっと握った。
「まだ駄目」
流川は唇をそこに密着させたままそう言って、根元を更に強く締め付ける。
今度は締め付けていた指を上下にスライドさせて優しく扱きながら、
空いたもう片方の手で二つの袋を強く揉む。
すると悲鳴をあげて花道の体が大きく引きつった。
流川は花道の呼吸が荒々しくなっていく様を楽しみながら聞いていた。
そして流川自身も頬が熱くなり、呼吸が乱れて汗も滴っている。
けれどそれが不快だと感じる暇も無い程夢中なのだ。
袋を揉みながら手の平で転がしていたら、そこが引きつってきた。
頃合いを見計らってそこにも唇を寄せる。
舌の先に乗せるように舌先であやしながらも、堅くそそり立つモノも緩く扱くと
花道の腰が無意識に浮き上がり押し付けてくる。
強い刺激をねだるその様子は、無意識だからこそ、そそられるのだ。
流川はご褒美に、袋を強く啜って肉棒を素早く扱いてやった。
「イイッ!イ…クッ…」
高い声で鋭く叫びながら、花道は腰をぐっと浮かせて精を吐き出した。
グッグッと腰を浮かすと2回で出し切ったのか、ぐったりとベットに腰が落ちた。
喉だけでは足りないのか、体全体で呼吸をしている。
「良い眺め…」
流川は袋を咥えたまま、目の前でそそり立つモノから
白い精液が吹き出るのを見ていた。
それは何度見てもアレを思い出す。
両親と行った温泉旅行で見た【間欠泉】だ。
我ながらおかしな例えに口の端が思わず持ち上がってしまう。
こみ上げる笑いを喉で押し殺し、ようやく袋から口を外し握っていた
棒からも手を離す。
「大丈夫か?」
呼吸を整える事に精一杯な花道は目だけ動かし流川を見る。
潤んだ目と染まった目元が益々欲を煽る。
たまらなく愛しいものを「食べたいくらい○○だ」と言うが、こういう時いつも思う。
「食べたい」の「食べる」はきっと抱くとかセックスするとかそういうことも
含まれているんだろうって。
(食っても食っても飽きねーのが不思議だけど…)
いつも同じものを食べていると、いくら好きでも飽きる。
でもこればかりは飽きるどころか、毎日欲しくて仕方無いのだ。
花道が気を反らさないうちに、流川は精液や唾液で濡れた手の平を
軽くシーツで拭った。
そして枕元に用意しておいた小さなチューブを掴む。
キャップを外してチューブを軽く押すと、口から半透明のクリームがぬるりと出てくる。
自宅の救急箱からくすねたそれは傷薬だ。かなり粘着力のあるそれは、
少量でも非常に伸びが良い。流川はそれを花道との2回目のエッチから
愛用しているのだ。
薬が無いと騒いだ母親に、部活で怪我した時に使うからと言って、
そのまま自分の物にしておいたのだ。
薬を人差し指に出して、それを指全てにまんべんなく、そして素早く塗りたくる。
一通り塗ったらもう一度薬を出して同じ事を繰り返した。
今度は爪にも塗りこむ。指がギトギトに光ってきた。
「るかわ…?」
暫らく間が空いたことにより意識が落ち着いてきたのか、
花道が流川の様子を気にした。
「ちょっと待ってろ…」
そう言いながら指に塗ることを辞めず、体をかがめてチロッと間欠泉の口を舐めた。
「はん!もうやめっ…」
チロチロとヘビのように舌先を閃かせて先端をくすぐる感触に花道が身を捩る。
すると腰が動いた拍子に元気を取り戻した堅いモノがふるんと揺れた。
「動くと舐めらんねーよ?」
「だって…」
そう反論しながらも動きを止めてヘビの舌に身を任せる。
動きが止まったそこをいよいよ集中して舐めてやると、それが相当イイのか
枕の端をきゅっと握って頬を枕に押し付けて耐えている。
指に薬を塗り終わったのでそこから舌を放すと、花道がホッとしたように
目をうっすらと開ける。
「おい…ちっと…」
そう言って軽く太股を閉じる仕草をしてやると、意図がわかったのか
花道はうつ伏せになった。
勃起している自身がシーツに着かない様に、自然と腰が持ち上がって
四つん這い状態になる。
流川へ突き出すような体制に、花道は恥ずかしくて仕方無い。
だから丁度目の前にあった大きな枕にしがみ付く。
「アッ!」
クリームでぬるぬるになった指が、腹にくっ付くほど勃起した花道自身に
絡みつく。
それと同時に後ろの秘所へも柔らかくて熱いものが滑り込んできた。
花道の尻がひくんっと揺れたのも構わず、流川はもくもくと秘所を舌でつつく。
急所に絡みついた指は、塗った薬により大変良く滑り、少し力を入れた
だけでくにゅっと手の平から棒が逃げ出してしまうほどだ。
「ハッ…アッアッアッ!……っ!……っ!」
舌が秘所に潜り込むたび流川の荒い息遣いが尻に掛る。
それにより花道も過敏になり過ぎて、もはや声が上手く出せない程だ。
全身に鳥肌が立つ。
「ル…ッ…や…んっ」
感じる花道を充分意識しながら、大事なそこをほぐしていく。
前の刺激を一旦辞めて、両手を使って尻を掴む。そしてより深く舌を差し込んだ。
「ひっ!」
そのまま何度か尖らせた舌で刺激を与えると、今度は尻たぶを両手の
親指で押し広げて、秘所が良く見えるようにする。
舌は差し込まず秘所に軽く息を吹きかけながら、入口付近に口付けて行った。
弾力のある尻に唇が押し返されるのが好ましい。
「も…良い…から…流川…」
「ん…分かった…」
限界まで勃起したそこを擦られて、秘所もなぶられて。
花道はもうこれ以上耐えられそうに無かった。
流川はその願いに答えようと身を起こし、またチューブから薬を手の平に出した。
それを両手にすりつけて、すでに完全に勃起して露を零している己自身に
刷り込んだ。自分で塗る刺激だけで若い男の精は勢いを増す。
全体にまんべんなく塗りこむと、流川は根元を軽く右手で支えながら秘所に
近づけていく。
左手は花道の腰を掴んで引き寄せようとする。
流川の熱く勃起したソレが、舐められてほぐされて過敏になった秘所に
押し付けられると、花道は体の力を抜き、枕の端をぎゅっと握って待った。
ぬぷっと先端が秘所に飲み込まれていく様を、流川は慎重に見守る。
痛い思いをさせないように、この時だけはいつも気を使う。
こめかみから汗が滴り落ちるのが分かった。体中汗びっしょりだ。
「痛くねぇ?」
秘所に向けていた視線を頭上で耐えている花道に向けると、枕に顔を
押し付けながらコクンと頷くのが見えた。大丈夫のようだ。
「もうちっとだから……」
一番太い部分がぬるっと進入すると、後は飲み込まれるように入り込んでいく。
「入った…」
「うん…入ってる…」
……流川がいっぱい入ってる。
小声で息苦しそうに告げられたその言葉が、流川自身にずくんと甘い刺激を
与えてくれた。
「くっ!」
激しく突き上げたいのだけれど、まだ進入したばかりだから少し落ち着かなければ
と思いつつ、汗を滴らせながら、花道の腰を両手で支える。
そっと抜いて、ゆっくり押し込むという動作を繰り返しながら、花道の背中に目をやった。
すると丁度肩甲骨の間から、汗の粒が一つだけつーっと腰に向かって背骨に
沿って流れて落ちてきた。
流川はそれを逃がすまいと身をかがめて舐め取った。
「うっ…く!」
挿入されたモノの角度がズレて、敏感な内壁を鋭く刺激した。
そろそろと前後に動かしていた腰も、流川自身が限界に達した為か、
今の刺激を切っ掛けにして素早いピストン運動に変わった。
「アッアァ…アッ…イッ…!」
両手の平が、花道の腰に強く食い込む。そして鋭い突き上げが続く。
腰を音が鳴るほど激しく打ちつけたかと思うと、今度は腰で大きな円を描く。
内部では流川の先端がグリグリと壁を削るように動くからたまらない。
「ヤッ!ダメ…!も…もぅ…!」
「イク…?」
流川も激しい動きと結合部から伝わる刺激に呼吸が激しく乱れた。
「イク!出る!も…ダメ!」
「一緒に…イク…」
そう言って、汗でヌメる花道の腰を掴みなおし、もう少しだけ腰を上げさせると、
これ以上無い程の速度で突き上げ、最後に根元まで一気に鋭く埋め込んだ。
「はぁん!」
「くぅ!」
流川は瞬間身震いして、花道の内部へ大量に精液を注いだ。
花道も最後の一突きの刺激のあまりの強さに、突かれただけでイってしまった。
花道は体が限界だったのか、力が抜けてそのままベットに埋もれた。
腰を掴んでいた指が離れて、流川自身もぬぷっと秘所から出て行く。
花道の股が濡れている様がこれ以上無い程いやらしい。
「はぁはぁ…」
頬を真っ赤にして汗をかいたその顔は、満たされた表情をしていた。
呼吸はなかなか収まらないようだが、苦痛は感じられない。
流川はその様子を上から覗き込み、花道の隣へ同じくうつ伏せ身を投げ出した。
二人の目が合った。
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